イベントレポート:東京大学 ビジョナリー・スタートアップ講座×早稲田大学 起業家養成講座 合同アルムナイイベント
2026年7月30日、東京大学「ビジョナリー・スタートアップ講座」と早稲田大学「起業家養成講座」の合同アルムナイイベントを開催しました。
当日は、両講座の過去受講者を中心に約80名が参加。大学や世代、現在のキャリアを越えて交流し、新たなつながりをつくる機会となりました。
本記事では、当日の様子とともに、GCPが講座の先にどのようなコミュニティをつくろうとしているのかもご紹介します。
大学、世代、キャリアを越えて集まった約80名
今回集まったのは、東京大学「ビジョナリー・スタートアップ講座」と早稲田大学「起業家養成講座」の過去受講者です。
現役の大学生・大学院生をはじめ、在学中から事業を立ち上げている学生起業家、スタートアップや大企業で経験を積む卒業生、社会人経験を経て起業した経営者など、それぞれ異なるフェーズにいる約80名が参加しました。
現在は企業で働きながら、将来的な起業を考えている参加者も少なくありません。
参加者の関心領域も多岐にわたります。AI・ソフトウェアをはじめ、半導体・量子・ロボティクスなどのディープテック、創薬・ヘルスケア、エネルギー・環境、金融・法務、教育・人材、宇宙・防衛、エンタメ・文化、農業・地域課題・伝統産業など、さまざまなテーマが挙がりました。
なかには、核融合や海底鉱物資源、身体拡張、伝統工芸の海外展開といったテーマに関心を持つ参加者も。
「すでに起業しているかどうか」にかかわらず、それぞれの専門性や経験を持ちながら、新しい事業や社会の変化をつくることに関心を持つ人たちが集まりました。
講座を、受講して終わりにしない
GCPでは、講座で得た学びや出会いを、その場限りのものにしないことも大切にしています。
受講をきっかけに出会った人たちが、その後も所属や世代を越えてつながれるよう、講座終了後にもさまざまな機会を設けています。
- 講座のアルムナイイベント
過去の受講生が再び集まり、互いの近況や挑戦を共有したり、新たな仲間と出会ったりする場 - 招待制の1泊2日の合宿
起業家や投資家にとどまらず、事業・資本・産業・政策など、異なる領域を担う人たちが立場を越えて集まり、1泊2日をともにする場。スタートアップという枠を越え、新しい産業を生み出すためのつながりをつくることを目指しています。
こうした場には、現役学生や会社員、学生起業家、卒業後に起業した経営者など、さまざまなフェーズにいる人たちが参加します。
学生時代に起業する人もいれば、企業や研究機関などで経験を積んでから起業する人もいます。挑戦するタイミングも、そこに至るまでのキャリアも一人ひとり異なります。
だからこそ、受講後も仲間や先輩起業家と再び出会い、それぞれの挑戦が次の挑戦へとつながっていく。GCPでは、そうした接点を継続的につくっていきます。

先輩起業家に聞く、起業と事業づくりのリアル
イベント前半では、GCP磯田がモデレーターを務め、GCP投資先の起業家である、東京大学出身のHoloway 佐藤CEO、早稲田大学出身のmatsuri technologies 吉田CEOによる対談セッションを実施しました。
セッションの内容を一部ご紹介します。
起業は、最初から決めていた道ではなかった
対談は、お二人の学生時代の話からスタート。
吉田氏は早稲田大学在学中からさまざまなビジネスに挑戦。一方、佐藤氏は東京大学時代、アメリカンフットボール部での活動に打ち込み、当時は起業をまったく考えていなかったと振り返ります。
GCP磯田)お二人とも今では起業家として活躍されていますが、学生時代から起業を考えていたのでしょうか?
吉田氏)最初から民泊をやろうと決めていたわけではありません。とにかく大きなビジネスをつくりたくて、いろいろな事業を試していました。そのなかで民泊市場を見つけ、法律が整備されて産業として立ち上がるタイミングで「ここだ」と思って飛び込みました。
佐藤氏)僕は学生時代、起業なんてまったく考えていませんでした。卒業後は銀行、JICとキャリアを歩みましたが、振り返ると事業を自分でやることへの興味はずっと持っていたんだと思います。
佐藤氏が起業するきっかけとなったのは、大学で研究されていた光学技術でした。研究成果を事業化する必要が生まれた際、金融や投資の経験を持つ自身が経営側に入り、大学発スタートアップとしてHolowayを共同創業しました。
事業のアイデアは、動きながら見つけていく
対照的だったのが、二人の事業テーマとの出会い方です。
民泊市場の黎明期に可能性を感じた吉田氏に対し、佐藤氏は大学発の技術を「どこで事業化できるのか」を探るところからスタートしました。
佐藤氏)最初の2年間くらいは、いろいろな事業会社に「困っていることはありませんか」と聞きながら、ひたすらPoCを繰り返しました。そのなかで、スケーラビリティと業界のペインが重なる場所を探していったという感じです。
現在、Holowayは光学技術を活用した半導体の計測・検査領域で事業を展開。matsuri technologiesは、民泊をはじめとした宿泊事業を全国で展開しています。
出発点も事業の見つけ方も異なる二人ですが、共通していたのは、最初からすべての答えを持っていたわけではなく、行動しながら事業の可能性を見つけていったことでした。
起業のタイミングは、人それぞれ
最後に、これから起業やスタートアップへの挑戦を考える学生・若手社会人に向けて、二人からメッセージが送られました。
吉田氏)生活コストが低く、リスクを取りやすい時期に挑戦するのはいいと思います。起業すると、一緒に本気で取り組んだ仲間との特別な時間があります。気の合う仲間を見つけて、ぜひその時間を楽しんでほしいです。
佐藤氏)いつ起業するタイミングが来るかは分からないので、焦る必要はないと思います。ただ、事業をやりたいという“火”は消さずに持っておく。社会人として目の前の仕事に取り組むときも、「自分が経営者だったらどう考えるか」という視点を持っていると、そこでしか得られない経験があると思います。
学生のうちに挑戦する道もあれば、社会に出て経験を積んでから挑戦する道もある。
お二人の異なるキャリアだからこそ、それぞれの起業のあり方が見える対談となりました。
大学や世代を越え、次の挑戦へ
対談後の質疑応答では、参加者から次々と質問が寄せられました。リーダーシップや資金調達、キャリア、採用など、起業や事業づくりにまつわる幅広いテーマについて議論が交わされました。
その後の懇親会では、東京大学・早稲田大学という大学の枠を越えて交流が広がりました。自身が取り組む事業や研究について話す人、先輩起業家に相談する人、初めて出会った参加者同士で意見を交わす人など、会場の各所で新たなつながりが生まれていました。
講座で得た学びや出会いを、その場限りで終わらせず、その先の事業や挑戦へとつなげていく。
GCPでは今後も、大学や世代、現在の所属を越えて、新しい挑戦を志す人たちが出会い、再びつながる機会をつくっていきます。