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2025.6.11

未来を切り拓くエネルギーテック・スタートアップ:Tensor Energyの挑戦と成長戦略

Tensor Energyは再生可能エネルギー分野で革新的なプラットフォームを開発する注目のスタートアップ。

再生可能エネルギーの急成長と電力需要の激変。今、電力インフラは過去にないスピードで変革を迫られています。こうした時代のうねりの中、Tensor Energyはなぜ「分散×自動化」という発想で未来を切り拓こうとしているのか?発電所管理の複雑さに挑むテクノロジーとは?国内外でキャリアを重ねた堀ナナ氏・フィルター・ヴィンセント氏の創業者2人が語る、ビジネス・技術・チームカルチャーの核心に迫ります。エネルギー業界に新たな潮流を生むスタートアップのリアルな姿をご覧ください。

こちらは、2025年2月21日にGCP House内で配信したPodcastの書き起こし・一部編集した記事となります。

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エネルギー変革の最前線:Tensor Energyが目指す再生可能エネルギーの未来

GCP中村) 今回は私、中村がモデレーターを務め、Tensor Energy株式会社から堀ナナさんとフィルター・ヴィンセントさんをゲストにお迎えしています。GCPは今回、プレシリーズAファイナンスの追加出資として、Tensor Energyに投資させていただきました。同社は「Tensor Cloud」というサービスを展開しており、急速に変化する再生可能エネルギー市場において、発電所のアセット管理プラットフォームを提供しています。

近年、AIやデータセンターによる電力需要が急増しているほか、国としても電源の脱炭素化にコミットしています。エネルギー基本計画でも、現在の電源構成の中で再生可能エネルギーの割合を増やすことが明確な方針となっています。そうした状況の中で、Tensor Energyが非常に重要な役割を担うことを期待し、今回の投資参加に至りました。本日は、よろしくお願いします。

堀氏)フィルターと共同代表を務める堀ナナと申します。私がこの業界に足を踏み入れたのは、2011年の東日本大震災がきっかけでした。当時、日本の電力需要の約3割を担っていた原子力発電所が全て停止するという未曽有の事態に直面しました。東京で暮らしていた私は、道路を挟んだ向かい側が真っ暗になる輪番停電を経験し、この出来事を機に、約14年前、再生可能エネルギーの分野に身を投じました。

当初は、アメリカのエネルギー専門コンサルティング会社に入社しました。その頃、ドイツでは既に太陽光発電が普及し始めており、日中の余剰電力を蓄電池で有効活用できないかという議論が活発に行われていました。こうした背景から、私は世界のリチウムイオン電池のコストが今後10年から20年の間にどのように推移していくのかという調査研究に取り組みました。

コンサルタントとしての基礎を築いた後、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギー事業への市場参入戦略や新規事業の立ち上げといった、戦略策定から実行に至るまでの一連のプロジェクトに数多く携わることができました。この時期にフィルターとの出会いがあり、約1年半の間、共に仕事をする機会を得ました。

その後、私は同じコンサルティング会社に留まりながら、スピンアウトという形で日本における再生可能エネルギー発電事業の立ち上げに参画しました。ファイナンス、開発、建設、そして運用までを一貫して手掛ける事業において、私は事業開発部長として5年間在籍し、約120名の組織を率いて数百件もの発電所開発を推進しました。

数々の発電所を建設する中で、その後の10年、20年という長期にわたる運用こそが今後の重要な課題であると痛感するようになりました。そこで、フィルターと共にTensor Energyを設立し、発電所の長期安定運用をテクノロジーで支援することを目指しています。

GCP中村)フィルターさんとのお付き合いはいつからになりますか?

フィルター氏)2013年頃から堀とは知り合いで、最初の1年半は同じ会社に在籍していました。その後、堀は再生可能エネルギー開発、私はコンサルティングと、別々のキャリアを歩みましたが、日立製作所でグローバルなインフラ案件、複数の外資系コンサルティング会社で日本の電力会社を顧客として7年以上勤務した後、再び堀と共にTensor Energyを設立しました。

GCP中村)フィルターさんはドイツのご出身と伺いましたが、どのようなきっかけで日本に来られたのですか?

フィルター氏)ドイツの大学で「日本学」という専攻があり、それを学んでいました。実は2013年より前から、留学生や研究生として日本と行き来していました。その延長で、最終的に日本に住むことを決めました。

GCP中村)日本に関心を持っていただき、ありがとうございます。Tensorは国際色豊かなユニークなチームですね。さて、市場の背景について伺いたいのですが、再生可能エネルギー、特に太陽光発電は地方に行くと様々な場所にパネルが広がっている光景が見られます。現在のエネルギー業界で起きている変化や全体的な市場の状況について、堀さんとフィルターさんから見た景色を解説いただきながら、御社の事業についても触れていただければと思います。

日本の太陽光発電産業の変遷と新たな転換点:エネルギー需要増加時代の到来

堀氏)電力の世界は10年、20年単位で語られることが多いと思います。20年前を振り返ると、日本は太陽光パネルの世界的な供給量で長い間トップを走っていました。しかし、ドイツが固定価格買取制度を初めて導入したことで日本は首位の座を譲ることとなりました。

その後しばらく下火だった日本の太陽光発電ですが、2011年に固定価格買取制度が始まり、日本も急速に再生可能エネルギーの容量を増やしてきました。原発事故もあり発電容量が不足する中、太陽光発電が大きく成長し、現在では日本の電力供給の10%以上を太陽光が担っています。

最近の大きな変化の一つは、RE100の影響です。GAFAMなどが積極的に動き、日本でも製造業や大企業を中心に再生可能エネルギーの調達が活発化しています。ここ5年ほどで、政府の補助に頼らず、企業と需要家、発電事業者の間でPPA(長期電力調達契約)を結ぶという新たな流れが生まれています。

さらに、ここ3年はAIの登場によりデータセンターや半導体の需要が拡大しています。日本の電力需要は緩やかに下がっていくという従来の想定から、長期的に徐々に上昇していくという見方に変わってきており、市場の前提条件が大きく変化したというのがここ数年の流れです。

GCP中村)そうすると、電源構成のあり方自体が劇的に変化するという話と、今後多くの電力不足が生じる可能性があるというマクロなトレンドが強く影響してきているということですね。

堀氏)日本における太陽光発電所の現状に目を向けると、大規模なメガソーラーの開発も一部で見られるものの、実際には小規模で分散した発電所が約40万件と多数存在しています。これには屋根設置型のものに加え、地方では田んぼを利用した発電所も多く見られます。このような小規模発電所の分散化が、管理上の課題の一因となっています。

GCP中村)投資検討時に興味深いと感じたのは、公園程度の大きさや田んぼに設置されているような小規模太陽光発電所のオーナーには、地元の不動産で安定した収入がある資産家が投資目的で固定価格買取制度(FIT)を活用して始めた個人オーナーも多いということでした。かつては設備を設置すれば確実に収益が得られるという制度でしたが、大きく制度が変わり市場での運用が必要になってくると、こうしたオーナーが今後困難に直面するだろうという点が変曲点として興味深いと思いました。市場のプレイヤー構造の変化や、今後5〜10年で需要が増加し再生可能エネルギーがより重要になる中で、どのようなプレイヤー構造になっていくのか、現時点で見えている展望はありますか?

太陽光発電事業の集約と自動化:小規模分散発電所が直面する未来の課題

堀氏)現在始まっている現象としては、これだけ小規模で多数ある発電所の管理をどうするかという課題に対して、大規模な発電事業を手がける企業が買収していくという集約化の兆しが見えてきています。小規模発電所は個人オーナーや地元業者が所有していることが多いのですが、固定買取制度がなくなっていくと、自社で発電した電気を市場で売買したり、送配電会社に発電計画を提出したりといった複雑で負担の大きい電力業務が発生します。これを自社で対応するのは難しいと判断され、専門知識を持つ企業に任せていくという集約化が進んでいると見ています。

GCP中村)このような状況になると、どのような課題やペインポイントが発生するのでしょうか?事業面と技術面から見て、新たに取り組むべきことについて、堀さんとフィルターさんはどのような点に注目されていますか?

堀氏)二つの課題があります。まず一つ目は、発電所は初期投資が非常に大きいアセットヘビーなビジネスです。そのため、最初に適切な事業計画を立て、それに見合った資金を調達することが入口として非常に重要になります。そして二つ目に、事業が始まった後は、毎月の実績が予測に対してどのくらいのパフォーマンスを上げているかを正確に報告することが重要です。

大規模な発電所が1つだけなら、Excelでの管理も可能ですし、それが現在の業界標準です。しかし、数百件あるいは数万件の小規模発電所に対して同じことをするのは非常に大きな課題であり、まだ解決策が見つかっていません。当社ではまさにこの課題に対するソリューションを開発しており、フィルターを中心に、分散した多数の発電所を効率的かつスピーディーに、そして簡単に価値を高める方法に取り組んでいます。

フィルター氏)堀が述べたように市場の集約化が進んでいますが、私たちが目指しているのは発電所の所有を完全に自動化する世界です。発電所オーナーが日々行わなければならない作業をできるだけ削減し、その上に自動化システムを構築するアプローチを取っています。まだはっきりとは見えていませんが、将来的には逆に分散化する可能性もあります。つまり、発電所の管理が自動化されれば、発電所を登録するだけで自動的に管理が行われる世界が実現するかもしれません。

中村氏)発電所は実際にハードウェアを設置する必要があり、ハードウェアとシステムの両方を統合することは、電力というインフラ性の高いものにとって重要です。安定した運用が求められるため、技術的に難しい領域だと思いますが、この事業の核となる技術的なポイントや面白さはどういった点にありますか。

日本電力業界の技術革新:孤立した電力網から蓄電池連携まで

フィルター氏)電力業界は伝統的な業界です。これまであまり破壊的イノベーションはなく、それは海外でも同様です。日本の特徴として挙げられるのは、電力網が他国と繋がっていないことです。

ヨーロッパでは、最近東ヨーロッパの電力網が西側に接続され、北はノルウェーから南はスペインまでが一つの電力網になっています。そのため、多くの国々や電力会社、国の政策において合意形成が必要で、データの交換も求められます。

一方、日本ではそういった状況がないため、データアクセスの問題があります。電力会社がデータをオープンにしているか、データフォーマットは標準化されたAPIなのか、または独自フォーマットなのかといった課題があります。データのオープン化という観点では、日本はまだ発展途上であり、ここは技術的に高いハードルとなっています。

もう一つの課題はスケーラビリティです。数千件の発電所に対して個別に機械学習モデルを適用したいところですが、業界では特に大手企業を中心にレガシーシステムが多く存在します。これらは過去の電力業界構造向けに開発されたソフトウェアで、大規模な火力発電所の管理を目的としています。そのため、多数の太陽光発電所をそのシステムに追加すると、処理が重くなる傾向があります。

当社は逆に、最初からスケーラビリティを考慮してシステムを設計しているため、個々の発電所ごとに機械学習モデルを簡単かつ低コストで実行できます。このような異なるアプローチが私たちの挑戦であり、強みでもあります。

GCP中村)これまでは太陽光発電所は発電したら電気がそのまま流れていくだけでしたが、今後は蓄電池と組み合わせて運用する中で、小さな単位ごとに判断しながら運用できるような、いわば頭脳のような機能を提供するという役割を担っているということでしょうか?

堀氏)はい、ある種「頭脳を授ける」という側面があると思います。

GCP中村)Tensorさんは、どのようなお客様と取引されているのでしょうか?可能な範囲で教えていただければと思います。

堀氏)弊社の最初のローンチカスタマーは東京センチュリーさんです。国内最大級の発電事業者の一つで、黎明期から多くの発電所を開発され、市場環境の変化の中でも積極的に挑戦を続けている企業です。新たに蓄電池を導入して併設運用するという計画があり、その運用プラットフォームが必要だということでお声がけいただきました。約2年間ご一緒させていただき、7ヶ月前に実際の運用がスタートしています。

他にも大手の再生可能エネルギー事業者やアグリゲーターが中心のお客様です。東京センチュリーさんのようなリース会社が多いのが特徴です。これは金融の強みを持つ企業が事業を展開しやすかったという背景があります。

最近では、電力を大量に消費する事業会社やインフラ企業、石油会社、鉄道会社なども参入してきています。電気を大量に使用する企業が、自社で発電事業を行うという形で、積極的な姿勢でこの分野に参入する企業も増えていると感じています。

GCP中村)規模感としては、大きな発電所をたくさん保有している事業者は、どのくらいのビジネス規模なのでしょうか?発電量なのか年間売上なのか、どういった規模感のビジネスをしている方々なのでしょうか。

「集約から分散へ」:進化する太陽光発電所の所有構造と市場展望

堀氏)発電所の規模で言うと、例えば原子力発電所は1基あたり約1ギガワットと言われています。原発1基、2基、3基、4基というスケールで事業を展開しているのが上位10社くらいのイメージです。小規模な事業者もたくさんあり、先ほど触れたように集約が進んでいて、大手企業が小さな発電所を買い取る動きも進んでいます。

ただ、フィルターも少し触れたように、一度集約されていったとしても、将来的にはオーナーシップの分散化が進む可能性も大いにあると思います。ドイツでは発電所のオーナーが土地を所有する農家であることも多く、個人が持つケースも珍しくありません。

フィルター氏)ドイツではオーナーシップの仕組みがかなり簡素化されています。例えば、ある農家が自分の土地に風力発電所を建設し、その電力を市場で売りたい場合、自分で市場に入札する必要はありません。ドイツには登録番号制度があり、その番号をウェブフォームで業者に伝えるだけで、発電所が自動的にピックアップされ、発電量がほぼ自動的に代行で市場に売られる仕組みになっています。日本もそのレベルまで進化してほしいというのが本音です。

GCP中村)電力業界も規制緩和後に変化が進行中であり、その中で影響力の大きい電力会社や発電事業者の裏側のインフラ、いわば「頭脳」を提供するお仕事をされているということで、先進的な電力流通システムの後押しになるような役割を担っているのは興味深いですね。

堀氏)現在は集約が進んでいくというのが私たちの仮説検証のメインシナリオですが、中長期的にはドイツのような市場構造の分散化も十分あり得ると思います。それに向けて、私たちのテクノロジーも「分散×分散」が成立するように初期から設計しています。

GCP中村)非常にダイナミックな環境の中で最先端を走っていらっしゃることがよくわかりました。ここで少し視点を変えて、スタートアップとしてエネルギーセクターで活動する醍醐味についても触れていただければと思います。

伝統的な業界の中で大企業の信頼を既に獲得し始めているのがTensor Energyの強みだと思いますが、これまでプロダクト開発に集中されてきた段階から、現在はどのような状況でしょうか?お客様や市場からの反応や変化などがあれば教えてください。

堀氏)創業から3年が経ちました。設立当初は投資家向けのスライドしかない状態からスタートし、今お話したような仮説を持っていましたが、お客様に説明しても「分散型という考え方は理解できるが、現実的ではない」という反応が多かったです。しかし、これが徐々に現実味を帯びてきて、政策も含めてその方向に向かい始めているというのが、私たちが見てきた大きな変化です。

GCP中村)そうすると、当初は懐疑的だった反応が、「こんなことができるのですね」というように変わり、これから広がっていく兆しが出てきているということでしょうか。

堀氏)はい、その通りです。「やらざるを得ない」という状況が変化の原動力になっています。私たちが目指したい方向は、「Tensorクラウドがあれば解決できる」と思ってもらえるところまで一緒に歩んでいくことです。

それを支えるテクノロジーを3年かけてしっかり開発してきました。一般的な業務システムは使っていて楽しいものではなく、仕事をこなすための道具という印象が強いと思いますが、フィルターのセンスの良さもあり、当社のUIは非常に美しく整っています。

私自身デザインセンスがない人間ですが、使ってみて気持ちが良いと感じます。こうした点も含め、スタートアップがあえてレガシーな産業に挑戦していくわくわく感や、大企業も含めて徐々に仲間を増やしていく過程が非常に面白いと日々感じています。

多様性が強みに:Tensor Energyのグローバルでインクルーシブなチーム構築戦略

GCP中村)現在、Tensor Energyは何名の体制でしょうか。

堀氏)フィルターと私を含めて17名です。

GCP中村)チームの構成や特徴について教えていただけますか?国際色豊かで珍しいチーム構成のように感じるのですが。

堀氏)最初からフィルターと私が前職で経験したように、多様な文化やバックグラウンドを持つ人たちが一緒になったチームを目指してきました。また、2021年11月の会社設立時はまだ移動制限があったため、リモートでスタートしています。フィルターもヨーロッパと日本を行き来しながら活動してきました。

リモートでチームを構築していくプロセスは、フィルターが丁寧に設計してくれました。この点についてのこだわりも含めて、フィルターからもコメントをもらいたいと思います。

フィルター氏)私たちの採用哲学の一つとして、アーリーステージのスタートアップとしては限られた資源の中で、優秀な人材をどう確保するかという課題がありました。現在、日本の地方でもリモートワークで働いてもらっています。宮崎県や東北など、外国人として日本の地方に住んで働いているメンバーもいます。

外国人として日本の地方に住むと、就職活動はかなり困難です。私も同様の経験があり、一時期関西に住んでいた時に就職活動をしましたが、なかなかチャンスが少なく、結局は東京・関東に住まなければならないという状況でした。これはリモートワークが一般的になる前の話です。

家族の事情などで地方に住まざるを得ない外国籍のエンジニアにとって、面白いスタートアップで働けるチャンスがあれば、大変喜ばれますし、高いスキルを持つ人材も多くいます。そういった人材を採用している日本のスタートアップは、現在でもまだ限られているのではないでしょうか。

堀氏)企業文化や戦略にも大きく影響していると思います。意識的に狙ったわけではありませんが、結果的にチームメンバーの多くは、人生のどこかのタイミングで自分がマイノリティになった経験を持っています。全く知らない国で暮らすことや、日本の地方で外国人として生活することは、かなり大変なことだと思います。

そうした環境の中で自分の居場所を見つけていく必要性や、様々な状況に対して想像力を働かせられる能力は、プロダクト開発にも非常に活かされていると感じています。デザインやユーザーエクスペリエンスへの配慮にも、そうした多様な視点が生きているのではないかと思います。

GCP中村)御社はエネルギー業界の中でもかなり専門的な分野に取り組まれていますが、エネルギー業界に詳しくない人でもTensorの事業にチャレンジできるものなのでしょうか。

堀氏)実は全くの未経験からスタートしているメンバーが大半です。私たちの業界は変化が激しいため、毎日キャッチアップし、日々勉強しなければ追いつけません。そういう意味では、未経験であることのデメリットはそれほど大きくないかもしれません。

ただ、この分野に対する好奇心や情熱は非常に重要だと思います。もちろん、チーム内には長年この業界で働いているメンバーも何人かいますので、経験者と未経験者のバランスが大切だと考えています。

フィルター氏)例えばエンジニアの場合、優秀なエンジニアに電力業界の知識を身につけてもらうというアプローチを取っています。入社後、一人ひとりに最初からすべての知識を教える形で、合計10時間ほどかけて複数のセッションで、電力業界の基本や現状について詳しく説明しています。興味さえあれば、誰でもキャッチアップできると思います。

GCP中村)そう考えると、新しいチャレンジをしたい方で、特定の領域が決まっているわけではないけれど、ダイナミックな環境で、やる気さえあれば歓迎するという、包容力のある会社だという理解でよろしいでしょうか。そのような実績があり、そういった方々が活躍されているということですね。

フィルター氏)その通りです。学ぶべきことは無限にあります。私たちも電力業界で10年以上経験がありますが、日々新しいことを学ぶのが日常です。「ここまで勉強したから全部わかりました」ということは決してありません。継続的にキャッチアップしたい、継続的にこの業界に興味を持ち続けるという方であれば、ぜひ来ていただきたいと思います。

現在活躍している人の共通点は、まさにそういった行動力や知的好奇心、継続性があるといった特性です。

堀氏)この業界には自分でコントロールできない要因も多くあるため、それを理解し、その波に乗りこなす能力が必要です。頭で考えるだけでは乗り切れない部分も大いにあります。そういう意味では、サバイバル能力や、業界知識がなくてもしっかりキャッチアップできるか、また「知らないことを知らない」と正直に言えるかどうかといった点が、成功するメンバーの共通点だと思います。

GCP中村)業界での認知度もしっかり上がってきており、これからさらに加速していく段階だと思います。今後どのようなことを実現していきたいのか、どんなチャレンジを一緒にやりたいのか、そのイメージを教えていただけますか。

未来を見据えたTensor Energyの二大チャレンジ:蓄電池事業のスケールアップと経済管理プラットフォームの構築

フィルター氏)今後のチャレンジとしては、まず弊社のプラットフォームのスケールアップが重要です。現在、蓄電池の案件数は日本全体でもまだ限定的ですが、技術的にはかなり面白く、ハードルも高い領域です。最適な充放電スケジュールの生成や、蓄電池の制御方法など多くの課題があります。

来年に向けて案件数が爆発的に増加する見込みであり、この時期に会社としてそれにいかに対応できるかという大きなチャレンジがあります。これはエンジニアにとっても非常に興味深い分野だと思いますし、顧客対応やビジネス開発の観点からも魅力的な領域です。

もう一つ重要なのは、技術的な管理だけでなく、継続的な経済管理の機能です。これは現在開発中ですが、グローバルに見ても比較できるようなプラットフォームがほとんど存在していません。Tensorとしては今まで存在しなかったものをゼロから開発する必要があります。

例えば、ピザデリバリーのアプリを開発するなら、既存の事例を参考にできますが、私たちがやっていることは誰もやっていない初めての挑戦です。ゼロからのスタートでチャレンジングですが、非常に楽しく、ぜひ一緒にやっていきたいと思います。

GCP中村)一つ目のチャレンジは、今後爆発的に増える蓄電池や太陽光設備のメインストリームを握るインフラになるというスケーラビリティの話、そして二つ目は全く新しい切り口で、太陽光発電というアセットビジネスをより経済的なものにしていくという新しいプロダクトの開発ですね。

このように異なる角度からのチャレンジがすでに定まっており、ビジネス面とプロダクト面それぞれで人材ニーズがあるということで、こうしたチャレンジに興味のある方は連絡をお待ちしております。

今回は堀ナナさんとフィルター・ヴィンセントさんにお越しいただきました。ありがとうございました。

以上

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2025/06/13 11:36:16